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【例会報告】第271回例会 大惣越

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日程:2024年6月16日(日) 場所:美馬郡つるぎ町半田大惣 大惣越  参加者:会員8 名、一般1名 美馬郡一宇 木地屋と、つるぎ町半田大惣の境にある標高1110mの峠は、『大惣越』『木地屋越』『石堂越』などと呼ばれ古くから生活道として使われてきた。 木地屋の地名が示すように、この辺りには木地師が住み着き木椀を作っていたと伝わっている。 文政8年(1825)俳人の武市信圭(蓼花)が祖谷山に旅した紀行文『祖谷山日記』に、次のような記述がある。 さてこの奥の山々に木挽とて五器(木椀)と言うものを作る男、媼、数多く、居付き職とす 家はなく、ただ仮りの小屋がけ、このあたりの木選びて器をつくりはべり、木尽れば、蚕の桑の葉を慕うごとく、また先なる山に入りてす 購うものこれを提て、半田という所にもち出たきり塗り装いて、浪花(大阪)なんどにも売るよし、主の刀自申しはべる  蓼花は、ここに住む木地師の特異な生活の様子について記している。木地師の製品は半田に運ばれ、そこで漆器となり大阪方面に出荷されていたようである。大惣越えは、木地屋から半田へ往く道中にあり、当時、木地師がたくさんの木椀を背負ってここを越えて行ったのだろう。 現在の大惣越は、盛土されて新道として整備し直され、人々が行き交った当時の様子を感じることはできない。わずかに木地屋方面に山道が残っている程度である。 大惣越えの西500ⅿに石堂神社があり、ここから尾根沿いに西に進むと石堂山、その先を南進すると矢筈山に達する。例会ではこの尾根沿いコースを歩いた。 矢筈山を背に小休憩 石堂山の御塔石